日本仏教とチベット仏教の違い

チベットと日本は距離的に離れているのですが、仏教と言う点では極めて近いものがあります。
釈迦のほかにも、仏菩薩などを崇拝するところや、自らの悟りよりも他の人を救済するなど基本的な点で近い考え方をしています。
また、国家が優先して仏教を取り入れている事も、似ていると思われます。

 

異なった面も多くあります。
日本の仏教は、西暦1世紀から7世紀のインド仏教を主にしていますが、チベット仏教では、7世紀から13世紀のインド仏教を主にしています。
これは、チベット仏教の方が密教化したタイプの仏教であると言えます。
また、チベットはインドから仏教が入りましたが、日本は中国経由で入ってきたことが大きな違いです。
インド仏教を忠実に継承しているチベットと、中国の変容を受けている日本という事です。
このような違いは、修行や教えにも現れてきます。
チベットのヤブユム(男女合体尊)などは、日本では受け入れられていません。
反面、チベットの僧侶は結婚を禁止されて厳しい禁欲の世界となっています。
日本では「煩悩即菩薩」や「一即多」がありますが、チベットではこの様な超倫理的な考え方は歓迎されていません。
チベットではどっちかと言うと、理屈っぽくなります。
一段一段確実に階梯をあがる方法がとられて、理論や弁証の力を必要とします。